2021年3月2日

イップ・マン 最終章

(原題:Ip Man: The Final Fight)(香港,2013)

いわゆるドニー・イェンの葉問シリーズではなく,これはアンソニー・ウォンの葉問です。と思ってよくよく調べてみたら,葉問シリーズは,デニス・トーのシリーズもあるのね。そしたら,ケヴィン・チェンのTVシリーズもあったりする。つまり,今,葉問を演じる役者は4人いるってことで,水戸黄門のようなものですね。架空のキャラクターも含めれば,ジェームズ・ボンドみたいなものか。いや,同じシリーズで俳優が変わるわけではないから,金田一耕助だろうか。とにかく,実在した「イップ・マン」を全く別のシリーズとして4つ製作するぐらいだから,とにかく「イップ・マン」と冠すれば売れる鉄板コンテンツ,ということですね。

説明するまでもなく,葉問は,ブルース・リー師父の師父です。私の書斎の四方の壁のどこを見ても,リー師父が掲げてあるのですが(今,ぐるりと回って数えたら,リー師父のご尊顔は,見えるところに,ざっと20ほど),リー師父のマーシャル・アーツ(ジークンドー)のベースにあるのが,この葉問の詠春拳です。

アクション映画として見れば,ドニー・イェンのカンフーは超絶的なので,もう比べようがありません。だからもう,おそらく演技的な深みで勝負するしかないということで,このアンソニー・ウォンの葉問。悪くはないです。ただ,実際の葉問は小柄なのに,アンソニー・ウォンは大柄なんですよね。そこが終始気になりました。

ドニー・イェンの葉問はもう,ドニーのカンフーを徹底的に見せるために構成されていますし,出ている俳優も知られた人だったり有名な格闘家だったりして制作にお金がかかってる感じがします。だから,このアンソニー・ウォン版がどの点にオリジナリティを置こうとしたのか,イマイチよく分からない。アクションなのか,人間模様なのか,ストーリーなのか,あるいは史実に基づく正確性なのか。

でも,最後まで観ることはできました。やっぱり,葉問は鉄板かもしれません。なにせ,リー師父がどこかで絶対絡むから(笑),そこが見所として鉄板です。

★★


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