2022年5月18日

ブラック・クランズマン

(原題:Blackklansman)(アメリカ,2018)

「ブラック・クランズマン」なんて邦題,さっぱり意味が分からないし,そもそも一体どんな映画なのかタイトルだけじゃまったく想像がつきませんね。ヘンテコな邦題を付けるよりはマシ,つまり配給会社がリスクを避けるために,単にカタカナに直しただけの映画が多い中,これはないでしょう,というぐらいタイトルからじゃ全く意味不明。

「クラン」はKKK(クー・クラックス・クラン)の「クラン」です。KKKとは,白人至上主義の秘密結社。だから,アメリカ人はタイトルからなんとなく意味が分かる。というか,おかしさに気がつく。あえて訳せば,「黒人のKKK(の男)」でしょうかね。黒人(アフリカ系アメリカ人)がKKK?どういうこと?ま,直訳が良い邦題かどうかはともかく。

監督はスパイク・リー。主演はジョン・デヴィッド・ワシントンとアダム・ドライヴァー。ロン・ストールワースという実在の元黒人警察官が書いた回顧録が原作。コロラド・スプリングスで初の黒人警察官になったロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が,白人(ユダヤ人)のフリップ(アダム・ドライヴァー)とともに,KKKへ潜入捜査を敢行する。二人で一役。電話でやりとりするロンと実際に会合に出向くフリップ。いつバレやしないかとハラハラドキドキ。

主演の二人がとにかく良い。KKKのレイシズムぶりがまた突き抜けていて,アメリカにおける差別の歴史と実体が垣間見える。溜飲の下がる場面もあって,映画としても面白い。真面目なテーマなんだけど,ときどき笑える。

アダム・ドライヴァーは,スター・ウォーズのカイロ・レン役が良いのか悪いのかよく分からない配役でしたが,この映画では,すごく良い感じのはまり役でした。この人,体が大きいから場慣れしてしていて度胸の据わっている感じがしつつ,あの長いとぼけた顔からして決してやる気があるわけではない(良く言えばおおらか,悪く言えばええかげんな)役が良いのかも。良い味が出てます。

★★★



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