2022年3月15日

たそがれ清兵衛

(日本,2002)

幕末。庄内地方(今の山形)の藩の平侍・井口清兵衛は,妻が長患いで亡くなり,年老いた母親と小さい娘二人を抱えて,貧乏ながらなんとか暮らしている。身なりに気を配る余裕もなく,下城の合図の太鼓とともに帰宅する清兵衛を,同僚たちはばかにして「たそがれ清兵衛」と呼んでいた。家では内職と畑仕事に励み,娘の成長を見守ることを喜びに感じていたが,あるとき訳あって果たし合いをすることになってしまった清兵衛。その果たし合いで,真剣相手に木刀で見事に勝つ。実は清兵衛はかつて,戸田流小太刀術の師範代まで務めた男だった。

邦画はほとんど観ないと言いながら,続けてまた観てしまった。とても良い映画でした。井口を演ずる真田広之ももちろん素晴らしいが,最後に死闘を繰り広げる相手・余五善右衛門を演じる田中泯の鬼気迫る芝居も凄かった。死に際は,まさに舞踏家としての美しい舞でした。この場面だけでも一見の価値ありです。

(いや,実は最初,田中泯という人は俳優だと思って普通に観ていたのですが,死に際がまるで舞踏のようだなぁ,凄いなぁ,と思っていたら,この人,舞踏家だったので,ああやっぱり,と思った次第です)

★★★

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